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仮組

2018.11.05

別段難しい仕事をしようと思っているわけではないが、
現在、大工の技能の低下が著しい。
設計者としてもその問題をどうやって克服するか考えなければならない。
今僕が考えているのは、
一つは、一から十までPCの能力をできるだけ使って加工技術の向上を図ること。
もう一つは、大工技術を補完するためにPCの能力をできるだけ利用することだが、
現在使われているプレカット機械を使いながらも、
PCで墨付けを補完すること。
後者でやろうとしたのが次の現場写真。
それにしても難しい仕事なので心配で、製材所で仮組を行った。



よくできた。
設計者、工務店、製材所、プレカット会社の一致団結の成果でここまでやることができた。
大工の技術がただただ落ちたと嘆くだけでなく、
そうい時代だからこそ、
新しい世界を切り拓くことができるかもしれない。

I’m home 最近掲載の建物

2018.11.02

泉事務所で作った建物が掲載されている雑誌の紹介です。
I’m home. (アイムホーム) no.96 2018 November インドアグリーン/高低差のある住まい [雑誌]

Ginkgoが復活します

2018.10.26

泉が設計した目白のフレンチレストラン、フランス語でGINKGO、日本語で銀杏(ぎんきょう)が昨年閉店しました。
多くの人に愛され、賑わっていたのですが諸般の事情により、惜しまれて閉店しました。
とっても残念でした。
下の写真は閉店の時にリコーダーの演奏がおこなわれましたが、
その時いずれ復活しますとのオーナーの言葉がありました。

そして、何とその通りに来年の秋、小田急線、東北沢駅徒歩2分のところに新GINKGOがオープンすることになりました!
現在設計中です。
これまでのGINNKGOの面影を残した建物です。
来年秋に完成したらまた報告します。
これまでご愛用して頂いた方はもちろんのこと、多くの方に来店して頂けたら嬉しいです。
その新GINKGOの部分模型です。

よさこいソーラン@目白

2018.10.07

事務所に向かう途中、目白駅に近づくにつれ、景気のいい音楽が段々と大きく聞こえる。
アッ、今年もあれやってんだな、と気づいただけで楽しくなった。
区の主催でやってるらしいんだけど、「よさこいソーラン」という祭り。
このような踊りは流行っているようだけど、各大学や、地域、福祉施設の人たちがグループを作って踊りを競い合っている。
見ている人も、踊っている人もみんなニコニコ顔。
こういうのっていいな-。
遠い昔に大阪で開かれた万博で、お祭り広場というのがあったが、
そこでいろんな催し物をやってたけど、目白のよさこいソーランの方が、見ていて楽しくニコッとしてしまう。

イタリア?

2018.09.30

東京は目白にある拙作、Apartment鶉(じゅん)の裏口の写真です。

裏口は建物の下を潜り抜けられるようになっている。
こういう風景はあまり日本では見受けられないが、世界中、至る所にある。
イタリア、アッシジ。

日本でも見たことがある。
伊勢の麻吉旅館の渡り廊下。

日本の建築基準法では基本的に道路の上に建物を作ることができない。
apartment鶉のトンネルは道路でないからだ。

虚飾のない石鹸

2018.09.23

石鹸と言えばマルセイユ石鹸。
いつ頃から使い始めたのかよく覚えてないが、ずっとマルセイユ石鹸。
天然のオリーブ油とパーム油からできているらしく、使っていて自然素材からできているのを実感する。。
マルセイユ石鹸と言ってもいろいろあるようだけど、マリウスファーブル社のビッグバーというでっかい石鹸で、長さが40センチ近くもある。

こんなにでっかいと当然使えないので、切って使う。
切るのはワイアーでクルッと捲いて引っ張る。
これだけ大きい石鹸だから1年に1本くらいで足りていると思うけど、
年に一度の、面倒くさいようで結構楽しい行事になっている。

全体で21に分割する。
人によって切り方は様々だと思うけど、
これが昔から日本にある石鹸の大きさに近く、使いやすい。

ところでこの石鹸高い。
木箱入りというのもあって1万円くらいする。
段ボール箱入りだと8000円くらいで、21分割しているので一個380円。
石鹸の値段は本当にいろいろのようで、
普通の石鹸だと100円くらいじゃないかと思うが、
高いのだと1000円位のもあったりするようだ。
この石鹸が高いのか安いのかわからないが、
虚飾のない、品のある建築のようだ。

今掲載されている雑誌

2018.08.26

「日本美邸」という雑誌が創刊され、その記念すべき創刊1号の表紙に長野県で建てた「森の中の森の家」が掲載されています。

「和風住宅」という雑誌に軽井沢で建てた「佇々浅間ちょちょせんげん」という住宅が載っています。
自分では和風とは思ってないのですが・・・。

鳥足のテーブル

2018.08.18

テーブルをデザインするときに気を遣うことの一つは、テーブルの脚が邪魔にならないようにすること。
そのために長方形のテーブルであれば脚を天板の最も四隅に寄せると、脚が邪魔にならず、座ったときに最も広く使える。
しかし座るまでに脚に足が引っ掛かり、じゃまになりやすい。
そこでよく使われるのが中華料理屋の丸テーブルのように、中央にスチールの一本足を立てたテーブル。
しかしそれは天板が厚くて重かったり、また細長かったりすると倒れやすい。
そこで考えたのが写真のようなテーブル。
これだと座るときに気兼ねせずに足を入れることができ、また沢山の人が座ることができる。


テーブルを作るときにいつもお願いしている古市さんと相談しながらデザインをしたものです。
写真のテーブルを支えてくれているのが古市さん。

次期アパートメントシリーズ Ⅱ

2018.08.12

先日紹介した集合住宅の階段室の模型の補足です。
実はこの模型は貼ったり、継ぎ足したり、削ったりと何度も手を加えてきた。
毎日、模型をパカッと開け眺めているが、なかなか納得できない日が続いた。

でもやっとこれでいいかなと思えるところまできた。
下から眺めた写真です。

光が上から零れ落ち、真っ白い陰影のある階段室になる。
この集合住宅の玄関ホールに入ってきた人は絶対感動するはず。
これで、良し!と思えたら、早く作りたい。

セミナー「木の建築賞受賞者が語る 私の木造設計術」のお知らせ

2018.08.09

「木の建築賞」という賞があります。
その審査員を賞の創設以来、11年勤めています。
この木の建築賞の面白いところは、木の文化に貢献することならどのようなことでも応募が可能ということです。木を使った建築のデザインはもちろん、国産材の活用、防耐火、構造、川下と川上の関係の構築等々、多様な分野にわたります。
この賞にかかわって思ったことは、現代に偉人とも思えるような立派な人がたくさんいることです。。
建築を業務と捉えている人が多い中で、受賞者が仕事をミッションとして捉えているということです。
彼らの話を聞くと、建築にかかわることの素晴らしさ、喜びを知ることができます。
8月下旬スタートで、これまでの受賞者の皆さんが4回にわたって話をしてくれます。
第1回は2018年8月25日(土)13:30~16:30
文京区民センターで開かれます。
泉も受賞者への聞き役として出ます。
よろしかったら是非ご参加を。

次期アパートメントシリーズ

2018.08.03

今設計している集合住宅には、建物のど真ん中に上下階をつなぐ吹き抜けの階段室があります。

この階段室は直径約5mのシリンダーで、真ん中が吹き抜けになっていて、最上部には直径2.5mのトップライトがあり、光が落ちてきます。

この集合住宅の見せ場と言ってもいいところで、入居者は一度この階段室を経て自分の部屋に入ります。
真っ白な幻想的な空間を目指しています。

ただこの空間をイメージするのは難しい。
30分の1の模型を作って、あーでもない、こーでもないと試行錯誤。

シリンダー部分を外から見た模型です。

この模型は二つに割って開くことができます。

完成は来年7月。
リキ入ってます!

猛暑はリージョナリズムで

2018.07.25

事務所への行き帰りのうち、6キロほどを徒歩にしている。。
もう1年くらい続いているが、休んだのは2~3日くらい。
おかげで体調は絶好調!
ところでこの猛暑でのウォーキングは大変。
事務所に着くころには、汗で下着がべっとりとまとわり付き、こんなに暑い中を歩いていてホントに大丈夫なのだろうかと心配になる。
TVでは盛んに「命にかかわる危険な暑さ」だとか言っている。

ところで、もともと夏になると事務所へは半ズボンに、ビルケンのサンダルで通っていた。
この格好で、事務所だけでなく、会合や、現場にも行っている。
とても夏、ズボンをはき、革靴をはいて、というのは耐えられない。
今日は、事務所へ歩いている途中、麦わら帽子を売っている店があっ買った。
帽子は日除けになるという話を聞いていたので、思わず買ってしまったのだが、それなりに効果がある。
頭の中が蒸れる心配があったが、そうでもない。
というわけで、夏のスタイルは半ズボン、サンダルに、麦わら帽子が加わり、これに捕虫網が加わったら、もうほとんど夏休みの少年スタイル。
実は地鎮祭も、打ち合わせにもこの格好で行きたいのだが・・・。
どんな格好であろうと、建築設計の能力も、ヤル気も変わらないんだけどね。

こんなに暑い時向けの涼しい正装はないものだろうか。
沖縄の知事さん、インドネシアの大統領の、涼しそうな正装姿をTVでよく見る。
知事さん、大統領が半ズボンやサンダル、麦わら帽子ではまずいかもしれないが、日本でも何かいいスタイルはないものだろうか。
もっとも泉としてはお偉いさんが半ズボンでもチッとも構わないんだけど。
恰好じゃだまされないから。
むしろ半ズボン姿の議員さんの国会の方が、正直に本当のことを言う国会答弁になりそうな気がする。
スーツは多分ヨーロッパから入ってきた近代、ユニバーサルなもの。
亜熱帯の日本にはリージョナルな格好があっていいはず。
建築だってリージョナリズムという考えがあるではないか!

なんて理屈を考えながら毎日この格好で、事務所に通っています。

2018.07.21

事務所へ行く途中発見!
外壁にハの字型の変なものがついている。

外壁を壊さずに、耐震補強かー。
成る程、こんなのもありだよねー。

最近読んだ本 Ⅱ

2018.07.11

読んだというより「見た」本。
NHKの日曜美術館で聞いたことのない名前の画家をやっていた。
不染 鉄(ふせん てつ)という日本画家。
一目見て、スゴイじゃん、こと人!、一瞬にして虜になった。
画集がないかと探したら、そんなに知られていないのか、あるのはこの一冊位。
不染鉄之画集
この人の絵、文人画の流れにあるようで、生き方がいい。
「有名になれずこんな画をかくようになっちゃったけどいヽよねえ」
と書いたりしている。
でも、この人、これから結構有名になるような気がする。
お顔もいい。
どんな絵かは本を見てください。

もう一冊は「近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻」 著者は山本義隆。
僕らの世代だと、あの山本さんかとピンとくるが、元東大全共闘の委員長、日大の秋田明大と並んで1968を引っ張ったカリスマ的リーダーだった。
山本さんは予備校の講師をしながら科学史を研究していて磁力と重力の発見〈1-3〉 全3巻セットという大部の著作などがある。
その山本さんの科学技術から見た近現代史。
近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻 (岩波新書)
同世代だから読みたくなったというのでなく、世代を超えたて読まれるべき本。。

最近読んだ本

2018.07.05

一冊目は、「合成生物学の衝撃」。
すでに、一から人為的に合成した生命体ができていることをご存知ですか?
その写真です。

この生物に親はいない、進化の長い系統樹から外れた全く特異な存在で、人間がデザインした人工のゲノムであるにもかかわらず、子孫にそれ受け継ぐことができる。SFのような世界。
いまや、コンピューター上で新たな生命のゲノムを設計するという、ダーウィンの理解を超えた世界が開かれようとしている。
そんな衝撃的なことを書いた本です。
合成生物学の衝撃
内田樹さんの本はいつ読んでも新しい知の枠組みを開かせてくれる。
「人口減少社会の未来学」、人口減少は建築の世界にも大きな影響を及ぼすことは目に見えている。
若い建築設計を目指す人には是非読んでもらいたい本。
自分たちがこれからやらなければならないことは何か、このような本からそれは導かれるかも。
内田さんが編・著で人口減少に関していろんな分野からの視点が面白い。
人口減少社会の未来学

白井聡さんの「国体論 菊と星条旗」。
友達に、何読んでるの?と聞かれて表紙を見せたら、ずいぶん右翼っぽい本だね、と言われたが、内容は読んでみないとわからない。
真逆なんだけど。
「論」なんです。
以前にも白井さんの本は紹介したことがあるが、「永続敗戦論 戦後日本の核心」の白井さん。
国体論 菊と星条旗 (集英社新書)

今出ている雑誌

2018.07.03

住宅雑誌「チルチンびと」2018年夏号に、
泉幸甫建築研究所で設計した住宅が掲載されています。

表紙の家がそうです。
興味のある方はご一読を。

蔦屋敷

2018.06.21

自宅から駅に行く途中に蔦ですっぽりと覆われた家があった。

郊外ならあり得るかもしれないが、豊島区は南長崎の駅の近く。

先日、多分区役所の人らしき方の立会いの下、この蔦の取り除き工事が行われていた。
蔦をはぎ取ったら正面はガラス戸で、中が見えるようになった。
建物は何と、かつて薬屋だった。
リポビタンDやアリナミンの箱が陳列ケースの中に並んでいた。

池袋から二つ目の駅の近くで、地価はそれなりにするはず。
空き家問題は郊外だけと思っていたが、
身近でも起こることになったようだ。

Apartment鶉(じゅん)

2018.06.11

2002年、目白に完成した集合住宅Apartment鶉(じゅん)です。
一昨日見学会があり、参加者の方が撮ってくれた写真です。
16年経ち、深みが出ていい感じになりました。

Apartment鶉にはビオトーブの池があり、池の中やその周辺にいろんな生物が生息しています。

今、水連の季節です。

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